ベインズ版『白鳥の湖』 ─ オーストラリア・バレエ団の2016/17シーズンが開幕

日豪プレスに、オーストラリア・バレエ団の2016/17シーズンの開幕を飾るベインズ版『白鳥の湖』のレビュー記事「【シアター通信】オーストラリア・バレエ団「白鳥の湖」」が掲載されていますね。

オーストラリアバレエ団の2016年シドニー公演のオープニングを飾ったのは「白鳥の湖」だ。本作は同バレエ団が50周年を迎えた4年前、バレエ団の座付き振付家、スティーブン・ベインズに委嘱された作品だ。『白鳥の湖』は『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』と並ぶ三大古典バレエの1つである。音楽はチャイコフスキーのバレエ組曲で、1895年にプティパ・イワノフが振付けて以来今日まで常に人気のあるプログラムだ。オーストラリアバレエ団の『白鳥の湖』には、イギリスの故ダイアナ妃の悲劇を連想させる独創的な演出のグレアム・マーフィー版がある。ベインズ版『白鳥』は本来の古典に近い演出で、登場する人物像を深く描き出している。筆者が観たのはシドニー公演初日で、主役のオデット姫はダンサーの最高位であるプリンシパルのアンバー・スコット。ジークフリート王子はプリンシパルのアダム・ブルだった。

ベインズは本作の制作にあたり、アンバー・スコットとアダム・ブルを念頭に置いたと語る。ベインズのスコット評は、強さと脆さの表現力を完璧なバランスで併せ持った抒情的なダンサーで、浮かび上がるようなアラベスクとしなやかな上半身、役柄を深く考える情感のあるアーティストだ。同夜のスコットはまさにベインの評するとおり。ロットバルトに捕らわれたオデットの嘆きが白鳥に化して全身から表現され、指先の使い方、上下に波打つ腕のしなやかさ、首を傾ける角度、1つひとつの所作に深い意味を込めた舞で、息をのむような美しさだ。華やかな場面で憂いのある微笑みを浮かべるブルは王子の気品を漂わせ、彼のソロは哀愁に満ち、ジャンプは高々として軽い。それらは2幕のスコットとブルのパ・ド・ドゥで余すことなく発揮され、バイオリン・ソロが奏でるメランコリックなメロディーにのって、流れるように心のひだを表現した2人のデュエットは熱狂的な拍手に包まれた。

さらに見事だったのは3幕のオディールだ。スコットのオディールは目線ひとつでブルの王子を虜にしてしまい、オデットとは全くの別人と見紛うほどの妖艶さ。そのようなキャラクターを、ダンスの技術と演技両方で観客を圧倒した。『白鳥の湖』の見せ場の1つである3幕の32回転のフェッテは文句のつけようもない出来栄えで、同夜で最も大きな喝さいが劇場を覆った。

素晴らしい出来映えだったようですね。
オーストラリア・バレエ団には日本人プリンシパルの近藤亜香さんもいらっしゃいますし、一度劇場で観てみたいと思っています。

近藤亜香さんがプリンシパルに選ばれた時の記事はこちらです。

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