バレエ劇場が消える東京

朝日新聞デジタルに「バレエ劇場が消える東京 ゆうぽうと・青山劇場…次々閉館」という記事が掲載されていますね。

国内外のバレエ団が華を競う東京で、劇場が次々と姿を消している。「バレエ公演の一大拠点」を自任する五反田のゆうぽうとホールも9月末で閉館予定だ。各団体は「文化発信のため新たな劇場の建設を」と要望を強めている。

バレエに限らず、全国的にここ10年の間に閉館した劇場が多いような印象があります。

■殿堂失う首都、恥ずかしい 評論家・三浦雅士さん

東京都内でオペラ、バレエの上演を目的に建てられた劇場は新国立劇場だけ。ゆうぽうとホールや東京文化会館など数館がどうにか本格的なバレエ上演にふさわしい機能を有するのみで、オリンピックを主催する一国の首都としては恥ずかしい限り。

ゆうぽうとホールでは1982年の開設以来、舞台芸術の歴史を刻む名公演が繰り広げられてきた。プティ自身が踊った「コッペリア」、ギエムが初演したベジャールの「シシィ」など忘れられない。この舞台に立った世界のダンサーのネームプレートを飾れば、ここがバレエの殿堂であったことがわかる。日本郵政は誇っていい。

たとえばパリ・オペラ座やモスクワのボリショイ劇場が「赤字と老朽化のために閉館する。その後どうなるかは売却先に聞いてくれ」ということになれば、世界中から非難されるだろう。世界有数のオペラハウスとゆうぽうとホールを比べるのは、その業績の価値を考えればけして大げさなことではない。(寄稿)

個人的には、アメリカのように起業が文化事業に多大な資金を注ぐことが大きな社会的ステータスになるか、あるいはヨーロッパのように国なり地方自治体なりが文化事業に予算をつぎ込んで舞台芸術に関わる人達を公務員のようなかたちで雇用するか、どちらかにならないと日本の舞台芸術が衰退していくのでは、という危機意識を持っています。ですが個人ではどうにもできない虚しさも同時に抱いています。

劇場経営という大きな黒字を出しづらい事業を今後の日本でどのようにしていくのか、いろいろ考えさせられます。

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バレエ劇場が消える東京 ゆうぽうと・青山劇場…次々閉館

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