ドイツ、ザールブリュッケンのザールラント州立劇場バレエで活躍中の香取成和さんのインタビュー

ダンサーの宝箱 - 海外で働く若きダンサーたちの今を知りたい! -にドイツ、ザールブリュッケンのザールラント州立劇場バレエ(Ballett des Saarländisches Staatstheaters)で活躍中の香取成和さんのインタビューが掲載されていますね。

どのようにして今のお仕事の夢をつかみましたか?

当時は学生だったので、ドイツを中心に様々なカンパニーのオーディションを受けていました。そのうちの一つとしてザールブリュッケンの劇場に履歴書を送ったところ、当時の芸術監督であったマルゲリーテ・ドンロン(Marguerite Donlon)がプライベートオーディションを承諾してくれました。オーディションは作品の一部やタスクからのインプロヴィゼーションなど短いながらも中身の濃い内容だったのを覚えています。正直特別手応えがあったわけでもなく、その後行なわれたオープンオーディションにも行かれなかったので諦めていたのですが、3月の終わり頃にカンパニーに空きが出たので契約したいとの電話がありました。契約が正式に決定したのが4月1日で、エイプリルフールのジョークなのではないかと本気で心配しました(笑)

オーディションは何人応募者がいて、結果的に何人合格したのでしょうか?

その年のオープンオーディションは大人数のダンサーを探していたので2日間に渡ったオーディションが行なわれたと聞いています。男女合わせてだいたい100人以上のダンサーの中からそれぞれ2人ずつが契約を貰いました。

その成功の鍵はなんだったと思いますか?

運と言ってしまえばそれまでですが、踊りに対しての情熱、仕事を得ることへの執着は大切だと思っています。以前カンパニーのオーディションを手伝う機会があったのですが、このオーディションにかけているんだという気迫を感じさせるダンサーが少なくて驚きました。もちろん周りを蹴落としてでもというのではいけませんが、情熱を感じさせるダンサーはやはり目に付くものです。それにディレクターや振付家も人間ですから、自分と仕事がしたいダンサーを採用したいと思うのは当然だと思います。

日本で踊ることと海外で踊ることの違いは何だと思いますか?

やはり劇場に足を運ぶ文化のある歴史の土台をヨーロッパでは感じます。ドイツでは特に各都市に大小劇場があり、それぞれが国や州のサポートを受けていますよね。とはいえヨーロッパでも文化の向上具合には都市によって差があるようです。例えばザールブリュッケンは文化都市ではないのでオペラでもバレエでもメインストリームの作品でないと観客が入りにくいというのが問題になっています。またフランクフルトやケルンなどの金融都市でもなかなか芸術の入り込む余地がないようです。日本でもやはりその辺が難しい部分なのかもしれません。こちらの同僚に日本のバレエの現状を説明すると、世界有数の先進国である日本が芸術の面では他国に遅れをとっていることをすごく驚かれます。

今回もダンサーを目指す方々にはものすごく参考になるインタビューだったと思います。
海外、特にヨーロッパの「劇場に足を運ぶ文化」は羨ましく感じます。その文化の中で磨かれてこそ、ダンサーとしての実力も伸びるのかなと思ってしまいます。

もちろん日本国内でもたくさんのカンパニーやダンサーが頑張っている姿を目にしますし、もっと良い状況を作り出そうとしていらっしゃる方々を知っています。
いろいろな要素が積み重なっていき、日本や海外という区別ではなく、ダンサーが「踊りたい」と思えるカンパニーを自由に選べるような世の中が来ることを願います。

Vol.32 Masayoshi Katori Saarbrücken Germany : ダンサーの宝箱 - 海外で働く若きダンサーたちの今を知りたい! -

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