ロシアNOWに「ボリス・エイフマンに聞く」というタイトルで振付家のボリス・エイフマンさんのインタビューが掲載されていますね。
世界的なバレエの振付師、ボリス・エイフマン(69)が主宰する、サンクトペテルブルクの国立バレエ団、「ボリス・エイフマン・バレエ劇場」の新シーズンは、「赤いジゼル」の新演出にくわえ、バレエ・ミュージアムのオープンも控えている。これは、サンクトのバレエの歴史について語るもので、木造の歴史的建造物「ドッベルトの屋敷」を改修して、ここに開館する。この博物館や、新作、バレエ芸術の危機などについて、エイフマンがロシアNOWに語った。
―今、ロシアのバレエの歴史はどんな段階にあるのでしょうか?どれだけ世界の流れに統合され、また独自性を保存しているのでしょうか?
今、ロシア・バレエのみならず、世界のバレエが大きな転機を迎えつつあります。バレエ関係者は岐路にさしかかっているのです。彼らは一方で、バレエの際限のない抽象化が袋小路に入ったと自覚しています。
しかしその一方で、こういう停滞を打破し、バレエ劇場の法則に則った大規模な舞台を創ろうとする試みは大抵失敗しています。こういう破目になるのは、ここ数十年、モダン・バレエが席巻していたため、関係者が大舞台を構築するノウハウを失ってしまったからです。
ロシア・バレエの独自性について言えば、それを保存する上で大きな妨げになっているのが、何でもかんでも西側諸国の振付をコピーしたがることです。一部関係者は、いまだにこういう影響から抜けていません。ソ連時代に生じた“孤立コンプレックス”が尾を引いていることは明らかです。が、もういい加減、今日のバレエが陥っている危機がグローバルな性格を帯びていることを自覚すべき時です。危機の第一の原因は、創造をリードするアーティスト、新たなイデーの不在です。
サンクトペテルブルクにできるバレエ・ミュージアムは是非行ってみたいですね。
そして「赤いジゼル」の新演出も非常に楽しみです。日本でも公演があると嬉しいのですが、どうでしょう?