クラシカ・ジャパン 2017年2月は「振付家でみる名作バレエ〜マッツ・エックと北欧の振付家たち」

クラシカ・ジャパン、2017年2月は、「【クラシック大全第2章】振付家でみる名作バレエ〜マッツ・エックと北欧の振付家たち」ということで、昨年引退を発表し、引退後は彼の作品の上演権をすべて引き上げ、作品を封印することになったことで話題となったマッツ・エックさんの作品を中心に据えたラインナップとなっています。

マッツ・エックの『ジュリア&ロメオ』
初回放送:2月6日(月)21:00~22:55

鬼才振付家マッツ・エックの、全幕バレエとしては17年ぶりの新作。有名なプロコフィエフのバレエ音楽ではなく、チャイコフスキーのポピュラーな名曲から再構成。古典の新解釈はエック作品の特徴の一つ。『ジュリア&ロメオ』ではシェイクスピアの物語を、2011年「アラブの春」の象徴的出来事であるチュニジアの事件と重ね合わせ、2人の悲劇は時の社会や家族の構造の問題という斬新な解釈。ジュリアは、2000年ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップ賞受賞の木田真理子。彼女は、この役で“バレエ界のアカデミー賞”ブノワ賞2014最優秀女性ダンサー賞を受賞し、2014年6月には同バレエ団最高位のプリンシパルに昇格するなど、今注目のダンサー。ベンヴォーリオには、木田のパートナーで同バレエ団第1ソリストの児玉北斗がダイナミックな舞踊を披露。スウェーデン王立バレエ団は1773年設立。パリ・オペラ座バレエ、デンマーク王立バレエ、マリインスキー・バレエに次ぐ、世界で4番目に古いバレエ団。本来2012年に主役に抜擢されていた木田は稽古中に負傷。エックは松葉杖の彼女に「ジュリアはあなたじゃないとできない」と励まし、彼女の復帰を待って上演された。

[振付&選曲]マッツ・エック
[音楽]チャイコフスキー:組曲第3番ト長調Op.55/幻想曲『テンペスト』Op.18/ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23/交響曲第5番ホ短調Op.64/組曲第1番ニ短調Op.43/イタリア奇想曲Op.45/幻想曲『運命』Op.77/マンフレッド交響曲Op.58/弦楽四重奏曲第1番ニ長調Op.11~第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」(管弦楽編曲版)より
[指揮]アレクサンドル・ポリャニチコ
[演奏]スウェーデン王立歌劇場管弦楽団、ベングト=オーケ・ルンディン(ピアノ)
[出演]木田真理子(ジュリア)アンソニー・ロマルジョ(ロメオ)アルセン・メグラビアン(キャピュレット公)マリー・リンドクヴィスト(キャピュレット夫人)ニクラス・エック(ヴェローナ太守)アナ・ラグーナ(乳母)ジェローム・マルシャン(マキューシオ)児玉北斗(ベンヴォーリオ)スウェーデン王立バレエ団
[収録]2013年5月スウェ-デン王立歌劇場

マッツ・エック『ジュリア&ロメオ』を振付ける
初回放送:2月7日(火)21:00~22:10

バレエの振付はどのように作られていくのか。この番組は、スウェーデンの世界的振付家マッツ・エックの『ジュリア&ロメオ』の振付過程を追ったドキュメンタリー。2013年5月スウェーデン王立歌劇場で初演された『ジュリア&ロメオ』は、マッツ・エックの全幕バレエとしては17年ぶりの新作として大きな話題を呼び、主演の日本人ダンサー、木田真理子が“バレエ界のア カデミー賞”ブノワ賞2014最優秀女性ダンサー賞を受賞した。リハーサルスタジオではどのようなことが行われているのか。ダンサーたちは振付家のあふれ出るクリエイティヴィティにどのように対応しているのか。カメラはこの作品の初期段階から密着。彼の両親(父親は俳優アンドレアス・エック、母親はスウェーデンの国民的ダンサー&振付家ビルギット・クルベリ)についてのコメントもあり、彼の芸術を知る上で大変興味深い内容になっている。ここまで振付家の振付過程を暴露する番組は珍しく、その緊張感に満ちた現場は最後まで目が離せない。70歳を機に振付家としての引退を宣言したマッツ・エック(1945年生まれ)。彼の芸術の秘密を知る大変貴重なドキュメンタリー。

[出演]マッツ・エック(振付家)アナ・ラグーナ(乳母/マッツ・エック夫人)木田真理子(ジュリア)アンソニー・ロマルジョ(ロメオ)ジェローム・マルシャン(マキューシオ)児玉北斗(ベンヴォーリオ)ニクラス・エック(ヴェローナ太守)アルセン・メグラビアン(キャピュレット公)マリー・リンドクヴィスト(キャピュレット夫人)パスカル・ヤンソン(ティボルト)オスカル・サロモンソン(パリス)ダリア・イワノワ(ロザリンダ)ジョルゲン・ストヴィンド(ピーター)アレクサンドル・ポリャニチコ(指揮者)スウェーデン王立バレエ団
[収録]2012年9月~2013年5月スウェ-デン王立歌劇場他
[制作・編集・音楽]ビョルン・エリクソン
[制作・撮影・インタビュー]アンドレアス・ソダーバーグ

テロ・サーリネン『ハント』
初回放送:2月13日(月)21:00~21:45

ヨーロッパのコンテンポラリー・ダンスの一大勢力といえる北欧諸国の中で、フィンランドの中心的存在がテロ・サーリネン。彼はフィンランド国立バレエでダンサーとして活躍した後、フランスのヌーヴェルダンスに大きな影響を与えたカロリン・カールソンや“フィンランドのダンス界の父”と評されるヨルマ・ウオッティネンの薫陶を受け、日本の大野一雄の舞踏を学び、1996年に自身のカンパニーを設立して本格的な振付活動を開始。2002年ヴェネツィア・ビエンナーレ委嘱による『ハント』は、ストラヴィンスキー『春の祭典』を使い、振付&ダンサーのサーリネンとマルチメディアアーティスト、マリア・リウリアとのコラボレーションによって生まれたソロ作品。彼は『春の祭典』初演100周年の2013年まで『ハント』全世界ツアーを敢行し、アジア、アフリカ、アメリカ大陸、ヨーロッパの32カ国82都市で174公演を行い、2002年の彼の初来日でこの作品が踊られた。この番組は、2013年5月フィンランド国立劇場で行われたツアーのファイナル公演を収録。必見は、サーリネンのエネルギッシュで伸びやかな振付と独特な身体語法、そして彼の肉体に照射されるマリア・リウリアの映像。彼と長年コンビを組むフィンランドを代表する照明デザイナー、ミキ・クントのドラマティックで緻密な舞台照明も見どころ。

[振付&出演]テロ・サーリネン
[マルチメディア]マリア・リウリア
[照明]ミキ・クント
[衣裳]エリカ・トゥルネン
[音楽]イーゴル・ストラヴィンスキー:バレエ『春の祭典』(エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団)
[収録]2013年5月22日&23日フィンランド国立劇場、2013年10月28日~31日YLEフィンランド放送スタジオ2(ヘルシンキ)

アレクサンダー・エクマンの『ある白鳥の湖』
放送日時:2月20日(月)21:00~22:45

スウェーデンの鬼才アレクサンダー・エクマンが振付・演出したファンタスティックな舞台は、水が張られたステージ上でダイナミックな水しぶきとダンサーの肉体が躍動する第2幕が圧巻!この番組では、日本人ダンサー稲尾芳文の活躍に大注目。コール・ド・バレエには松井学朗の姿も。1000羽のゴムのアヒルも天から降ってくる、かなり奇抜で斬新な舞台。

[振付・演出・脚本・装置]アレクサンダー・エクマン
[音楽]ミカエル・カールソン
[衣裳]ヘンリック・ヴィブスコフ
[指揮]ペール・クリスチャン・スカルスタード
[演奏]ノルウェー国立歌劇場管弦楽団
[出演]ヤン・グン、ナル・ロイセ、フリチョフ・ソーハイム、クレール・コンスタン、エリザベス・タイゲ、フィリップ・クレル、稲尾芳文、カミラ・スピショ、ヤニフ・コーエン、メリッサ・ヒュー、アルネ・クリスティアン・ルウトゥ、エンマ・ロイド、カロヤン・ボヤジェフ、カタリーナ・チェン(ヴァイオリン/コンサートマスター)ノルウェー国立バレエ、ノルウェー国立バレエ学校の生徒たち[収録]2014年4月26日オスロ歌劇場(ノルウェー)

フレデリック・ライドマン『白鳥の湖 リローデッド』
放送日時:2月27日(月)21:00~22:30

チャイコフスキーのバレエ『白鳥の湖』が、ストリートダンスと組み合わさった異色の舞台。スウェーデンの振付師フレデリック・ライドマンのアイデアで、強烈なビートと大編成のオーケストラをバックに、ブレイクダンスとクラシックバレエが融合!ストーリーの基本は『白鳥の湖』そのものだが、白鳥たちはドラッグ中毒の売春婦、ロットバルトはドラッグのディーラー。チャイコフスキーの音楽にラップやヒップホップが混在。ストーリーに即した振付の斬新さと奇抜なアイデアが面白く、誰が見ても最後まで飽きさせない。ユニークな「四羽の白鳥の踊り」やアクロバティックなブレイクダンスが炸裂する「黒鳥の32回のフェッテ」など見どころも満載。ヨーロッパ各国で大ヒットを記録。21世紀の『白鳥の湖』」と絶賛されたポップでスタイリッシュなパフォーマンスの数々。衝撃のラストは感動。

[振付&アイデア]フレデリック・ライドマン
[オリジナル音楽]チャイコフスキー
[音楽]アディアム・ダイモット、Eye N’I(PHより3)アーロン・フィリ、サレム・アル・ファキル、Lune、マネーブラザー、マリオ・ペレス・アミーゴ、スキッツ(ストックホルムシンドロームより)、フレデリック・ヴェンツェル
[装置]フレデリック・ベンケ・ライドマン&レーナ・エドヴァル
[グラフィックアート]ダニエル・“Mr.パペット”ブロムクヴィスト
[照明]リヌス・フェルボム&エマ・ヴァイル
[衣裳&メイキャップ]レーナ・エドヴァル
[出演]マリア・アンデルション、リサ・アーノルド、アレクサンドロ・ドゥフェン、ダニエル・コイヴネン、ロベルト・マルムボルグ、アンナ・ネストローム、マリオ・ペレス・アミーゴ、アンブラ・スッチ、フレデリック・ヴェンツェル、ジェニー・ヴィデグレン
[スウィング]エヴァ・ガードフォース
[収録]ダンスハウス(ストックホルム)
[制作]2016年

この他、ナチョ・ドゥアトの『眠れる森の美女』ハンブルク・バレエ『転換』など魅力的な作品も放送されますが、個人的に一番注目しているのがマッツ・エック『ジュリア&ロメオ』を振付けるです。

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