大紀元時報に日本のバレエ界の巨匠、元バレリーナの高木怜子さんのインタビュー「【本音を生きる】元バレエダンサー 高木怜子さん(上)」、「【本音を生きる】元バレエダンサー 高木怜子さん (下)」が掲載されていますね。
アントニー・チューダー(英国の舞踊家、振り付け師)の特別公演の時、太刀川瑠璃子先生が「でれるかどうかわからないけど無料でいいからレッスンに参加してごらん」と誘ってくださいました。アントニー・チューダーといえば、もう雲の上の存在で、そのレッスンを受けている方々もプリマ(主役)をされるような方ばかりでした。当時かけ出しのダンサーだった私がまさか出演できると思ってもいませんでしたが、思いがけず役をいただいて、あの時は自分でも本当にびっくりしました。その他にも本当にいろいろな先生から、勉強させてもらいました。
-多くのお弟子さんが教室を開かれていますが、どのように生徒さんを教えてこられましたか?
そうですね。なんとか上手くなって欲しいから言うべきことははっきり言っていました。それで生徒がやめるならやめても構わないという信念がなければ人は育たない。そして自分もバレエを教える以上、自分を磨かないと人を教えるなんて無理だと思っていました。勉強したこと以外は教えられないんです。
中には泣き出す生徒もいて「泣いてうまくなるなら、みんなうまくなるわ。悔しければ頑張ればいいじゃない」と鬼のように接していました。そうすると相手も本音でぶつかってくる。本音でぶつかりあうから、その人の個性が分かって、作品ではその人が本当に輝く役を与えることができました。
そんな生徒一人ひとりが自分の大事な身内のように感じていました。だからえこひいきなんかしない。上手だろうが下手だろうが、皆一緒でした。
ー 印象に残っている生徒さんは?
やっぱり森下洋子さんですね。基本を何回も何回もくりかえし練習することは、普通の人にはつらいものですが、それが彼女は全然苦じゃないんです。練習をすること自体が本当に楽しいようでした。その辺が他の生徒さんとは全く違っていました。できないことがあっても、悔しいんでしょうね、次の日にはできるようにしてきていました。感性も表現力もずば抜けていて、バレエの神さまがさずけてくれた本当の意味の天才なんだなと思いました。ああいう人は二度とでないかもしれませんね。
短いインタビューの中にもバレエ界を背負いリードしてきた重みのようなものを感じます。
高木怜子さんの「苦労した分は絶対どこかで報われる、努力は裏切らない」という言葉をしっかり胸に刻み込んでいきたいと思います。