先日もお伝えしましたが、吉田都さんの引退までの10か月を追ったドキュメンタリー番組「LAST DANCE ~バレリーナ吉田都 引退までの闘いの日々~」が、NHK BS1で2019年11月24日午後10時から放送されるそうです。
世界三大バレエ「英国ロイヤルバレエ」のプリンシパルにアジア人女性で初めて選ばれた吉田都。53歳でついに引退を決意。カメラは引退までの壮絶な1年に密着。股関節の疲労骨折、ロンドンでの緊急入院、大切な家族との別れ…。それでも悔いのない舞台を作り上げるために妥協なくチャレンジを続ける。しかし本番直前にさらなるトラブルが吉田を襲う…!感動のラストステージまでを追った知られざる300日間の舞台裏の物語。
【出演】吉田都,イレク・ムハメドフ
番組スタッフから
【この番組を企画したきっかけ】
英国ロイヤル・バレエ団の吉田都さんと最初に出会ったのは2007年「プロフェッショナル仕事の流儀」の取材でした。そのご縁で毎年、番組制作チームと都さんとで集まる会を10年以上続けてきたのですが、昨年の会で、ついに引退を決意したと告げられたのです。バレエに人生のすべてをかけて世界で闘ってきた53歳のバレリーナが最後にトウシューズを脱ぐ・・。その最後の瞬間まで、ぜひ記録させてほしいと思い、かつてと同じ撮影・編集チームで10か月に及ぶ密着取材をスタートしました。【制作でこだわった点、もしくは、苦労した点】
前・後編99分という長尺ですが、ナレーションなしで制作しました。一瞬の表情やその場に流れる空気感を自由に感じとってもらえたらという思いからです。ただこんなに長い番組でのノーナレは初めて・・。説明不足で混乱しないか、飽きてしまうことはないか、どう撮影し編集するか試行錯誤しました。
また、今回は番組のために鉄拳さんにパラパラ漫画を描いてもらいました。バレエといえば、妬みや競争も激しく映画やアニメの題材にもなるドラマチックな世界。トウシューズに憧れた子ども時代から、アジア人として英国でコンプレックスに苦しんだ時代まで、1枚1枚手書きで描かれた絵を通して吉田都さんの闘いの日々を感じ取っていただけたらと思います。【取材をする中で印象に残った言葉】
「やっぱりチャレンジしたいんですよね」
ラストステージまでの1年、吉田都さんにとってあまりに過酷な日々でした。世界的なプリマでありながらも吉田都さんも53歳の1人の女性。股関節の疲労骨折やロンドンでの緊急入院、大切な家族との別れなど想定外の出来事が次々と起こりました。そんな中、吉田さんはこれまでに踊ったことのない、難しい新作に2つも挑むことを決断します。医師からギャンブルだとさえ言われる中、なぜそんな選択をするのか・・、答えがこの言葉でした。あえて、ちょっと無理だと思う作品を選び、そこを目指し努力することで何とかレベルをキープする。ちょうどいいレベルの作品で出演オファーされた際は出演を断ったこともあると言います。年齢を重ねて体力は落ちていく中でも、妥協なく理想を追い求めてきた吉田都さん。ラストステージの最後の瞬間まで、ひたすら「つま先立ち」で自らを追い込み続ける吉田都さんの姿が印象に残りました。
12年に渡り取材をさせて頂きましたが、拍手喝采の舞台でも、いつも終演後のインタビューでは、反省の連続だとおっしゃっていました。今回ラストステージが終わった後だけは、ほんとうに幸せな時間でしたと満面の笑みでおっしゃった、その言葉も心に残っています。(番組ディレクター 生田聖子)
これは観るしかない番組ですね。
吉田都さんの引退は本当に寂しいですが、しっかりと眼に焼き付けておこうと思います。
放送はNHK BS1で2019年11月24日午後10時からですので録画予約をお忘れなく!